ものづくりデータサイエンティスト育成基本コース

データを適切に取扱うことができる人材

IoT化によって、これまでとは比較にならない膨大な量のデータを手に入れることができる。そしてこれからはデータが価値を生む時代になる。このような情報技術の急激な変化に対応するには「データとはなにか」を本質的に理解し、データを適切に取り扱うことができる人材を育成するのが急務であろう。

「ものづくりデータサイエンティスト育成基本コース」は、延べ3日間で、製造業の基本(管理技術、生産管理、品質管理)と定性的言語データおよび定量的数値データの2種類のデータの取扱い方、および問題の構造化・仮説の立案などを学び、データの取扱いができる人材育成を目指す。

製造業の基礎的な認識をベースに、データ解析の活用の仕方と、実務上の改善活動にどのようにデータを役立てればよいかを学ぶ。これはパソコン、電卓などで計算しながら、方法論ではなく、目的論で学習を進めていくという演習だ。みずから手を動かして覚えるカリキュラムとなっている。(※)

ものづくりデータサイエンティスト育成基本コース

生産形態と企業システムの全体を把握

基本コースでは、まず生産形態や企業システム全体、品質管理などの管理技術を確認し、製造業の課題を整理していく。

システムに入る前に、生産形態別・機能別課題を確認する。生産形態は大きく「受注してから生産するタイプ(受注生産)」と「見込みで生産するタイプ(見込み生産)」のふたつがあり、業界や企業の戦略によっては、受注前に開発・設計・資材調達・加工・組立・出荷のどの機能まで準備しているか状況が少しづつ異なる。内外作戦略に応じ機能ごとに課題が異なるためデータ取得、データ連携のあり方を考えるうえで大事な認識になる。

さまざまな生産形態

また、IT投資の目的・一般的課題を押さえつつ、企業システムの全体像もあわせて問題を把握するため、そして課題を解決するためにデータを取得する。本コースでは、まず製造業のあり方と、生産形態別・機能別の課題を確認していく。

IoTの取組みの目的、IT投資で解決したい問題・課題はなにか、一般的な動向調査なども参考にして、あらためて自社の目的・課題を明確する。

また、IT投資の目的・一般的課題を押さえつつ、企業活動からみた必要なシステムの概要を俯瞰する。

PLMシステム、ERPシステム、CRMシステム、それぞれのデータが共有されることで、企業活動のプロセス全体がもっとも効率的になることが理想の姿である。本コースでは、プロセスを支える情報システムの全体像を捉えたうえで、各システムとそのつながりを確認していく。

プロセスを支える情報システムの全体像とそれぞれのつながり

論理的思考は定性的言語データの取扱いがカギ

みなさんは、「与件」「制約条件」「課題」「問題」「グチ」を区別できているだろうか?

会議・ミーティングといった場面で、これらが区別されずに話されていることはないだろうか。これらが明確に区別されていないと、メンバー間の認識がずれている可能性が高く、お互いの認識あわせのために必要以上に時間がかかったり、結論が出ないまま議論が堂々巡りすることが多い。こういった問題の原因を探る場合、言葉の定義をお互いが確認したうえで、「問題の構造化」を行う必要がある。

本コースでは、定性的言語データと定量的数値データの取り扱いを確認しながら、論理的とは何か、科学的とはなにかを確認する。そして現象や原因を、論理体系図に表すことにより、論理的思考と、仮説および検証データ、区分原理などの重要性を理解する。

 

 定量的数値データの取扱い① ~生データの解析基礎~

定量的数値データの取扱いは、実務に近い形のワークをつかって演習を行う。

「ここに数字が記してある100枚のカードがある。サンプリングして、全体を類推せよ。」

本コースでは、100枚のカードを使って、バラツキの概念や基本統計量の概念を理解し、数値データの取扱い方を体得する。このカードはJMACオリジナルカードで、統計的データ取扱いのために開発したものである。学習する主な内容は下記のとおりである。

・言語データと数値データの関連性
・母集団とサンプルデータの理解
・バラツキの体験的理解
・平均、分散、標準偏差、正規分布とは
・サンプリング誤差と精度 など

 定量的データの取扱い② ~仮説の設定と検証~

実務では、ある精度をターゲットとして実験を繰り返し、データをつかって、精度がでない原因を突き止めていくケースは多い。

「チョロQを線上にピタリと止めよ」

本プラクティスでは、科学的データ解析の基礎である「因果関係」について体験・解析し、目的精度と実際精度の関係について学んでいく。

 

定量的データの取扱い② ~統計的解析の基礎~

本コースでは、統計的解析の基礎を学ぶために、ヘリコプター・プラクティスを用意している。紙のヘリコプターを一定の距離から床の上に落とし、その到達時間を測定する。同じ条件でテストしても再現が難しことと、あらかじめ対策をすることでバラツキが抑えられるということを体得する。

・紙のヘリコプターを作成する。
・4mの高さから落とす。
・地面までの到着時間のバラつきを抑えよ。

~再現性と誤差の理解~
・測定とは?
・再現性の難しさ
・あらかじめどのような対策を施すか?

 

※本コースは、JMACの社内向けコースを外部に提供するものである。JMAC社員はコンサルティングカレッジという1年間のコンサルタント養成コースを受講し、このデータサイエンティスト育成基本コースは必須科目となっている。

 

コンサルタント紹介

平林 晃一

品質革新センター/チーフ・コンサルタント

小野 甫

デジタルイノベーション事業本部/チーフ・コンサルタント

明治大学経営学部卒業後、2008年JMAC入社。製造業のIoT化構想策定~プロセスの改革まで全般を推進。AI活用可能性検討プロジェクトなどを担当。
【主なコンサルティング領域】
 ・製造業のIoT化推進、デジタル・イノベーション構想立案支援
 ・調達システム構築、サプライヤー戦略立案~推進支援
 ・ものづくりデータサイエンティスト育成

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