2019年5月10日

IoT7つ道具®︎体感セミナー
改善が変わる!

「現場にはあまりにも多種多様な課題があり、IoTに取り組むときにどこから手を付けてよいのかわからない」という声をよく耳にします。IoT推進の目的のひとつは、現場のさまざまな課題をデジタル化して解決することです。業務をデジタル化すると情報処理のムダがなくなり、さらにQCDの向上が期待できるはずですが、思うように取り組めない現実もあります。

これからの改善に求められるIoTの活用

現在多くの現場では、トラブルが発生した際や報告が必要なときだけデータを収集し、定期・不定期に分析し検討するケースが一般的です。IoTに取り組めば、常時さまざまデータを収集し、状況をモニタリングすることができます。IoTの最新技術であらゆる情報がリアルタイムでデータ化、可視化される状態になり、これまでの業務や改善のあり方が大きく変わっていくのです。
また、デジタル化が進む中、これまでにない着想のIoTツールが数多く世の中に出てきています。これらのIoTツールを改善の道具として使いこなすためには、使う側に新しい感性が必要になってきます。
そこでJMACでは「IoT7つ道具®」を提唱しています。これは現場の課題を7つの視点で捉え、それぞれに適したIoTツールを使いこなすことで、新しい改善に取り組むため、改善そのものを変えるための着眼点です。

IoT7つ道具®︎の視点を改善に取り入れる

JMACが提唱するIoT7つ道具®︎には、①IoL(Location):位置、②IoO(Operation):作業、③IoS(Situation):場面、④IoC(Count):数量、⑤IoH(Hazard):危険、⑥IoA(Availability):稼動、⑦IoQ(Quality):品質——
の7つの切り口があります(下表)。IoTに取り組む際に、これら視点で改善を捉えなおすことができます。

 

表1-2 現場IoT7つ道具®︎
  名称 対象 概要
IoL
:Internet of Location
位置 人・もの・荷役機器などの位置や動線の把握
IoO
:Internet of Operation
作業 作業や動作の認識・測定
IoS
:Internet of Situation
場面 不良や故障などの発生時の状態・状況の把握
IoA
:Internet of Availability
稼動 設備や機器の稼動・不稼動の把握
IoC
:Internet of Count
数量 出来高・不良・仕掛り在庫などの数量の把握
IoQ
:Internet of Quality
品質 品質測定や機器状態の把握
IoH
:Internet of Hazard
危険 危険場所・ヒヤリハット警告や不安全行動の認識

こうした背景から、JMACはソニーとコラボレーションし、IoT7つ道具®︎の「体感セミナー」を開発しました。IoTによる改善は7つ道具の視点を用い、実際にIoT改善を組み立てる教材はソニーの「MESH」を使用します。マネジメントコースとエントリーコースの2種類の公開セミナーを提供します。

改善アイデアをタブレット具体化するIoTツール、ソニー“MESH”

MESHはソニーの新規事業創出プログラムから生まれました。改善アイデアを形にできる直感的なIoTツールです。“MESHタグ”と“MESHアプリ”で構成されており、さまざまな機能を持ったブロック形状の MESHタグをbluetoothで連携し、タブレット上のMESHアプリを使って改善アイデアを具体化することができます。
MESHタグは、7種類のブロック形状の無線電子タグです。1個当たり重さ13グラムで消しゴム位の大きさです。それぞれ、動きセンサー/光センサー/振動センサー/ボタン/温度・湿度センサーなど、さまざまな機能を持ち、無線でMESHアプリとつながることができます。また、MESHアプリは、MESHタグとbluetoothで連携して、タブレット上でさまざまなことを実現可能にするアプリです(無料でダウンロードできます)。
難しいプログラミングや電子工作の知識は必要ありません。MESHアプリをつかってタブレット上でタップしながらドラッグ&ドロップでMESHタグをつなげるだけで、IoTによる改善の仕組みをつくることができます。

7種類のMESHタグ

MESHタグは、7種類のバリエーションに富んだ機能を持っています。

①ボタン(Button)タグ
ボタンタグが「1回押されたら」「長押しされたら」「2連続で押されたら」の3種類の押し方を判別しアプリに伝えます。

②LEDタグ
LEDタグのLEDを、点けたり消したりします。青や赤の光の色、光り方や明るさ、光る時間、光る周期などが変えられます。

③動き(Move)タグ
「振られたら」「ひっくり返されたら」「振動を感知したら」「向きが変わったら」の4種類の動きを感知し伝えます。

④人感(Motion)タグ
人がタグに近づくとアプリに伝えます。感知する時間や待ち時間などが設定できます。

⑤明るさ(Brightness)タグ
明るさの変化を検知します。光の強さや変化を受け取り、例えば、明るさタグの前にものが置かれているかどうかをチェックすることもできます。

⑥温度・湿度(Temperature & Humidity)タグ
温度・湿度タグが感知した温度や湿度の変化を伝えます。 反応する温度の範囲や湿度の範囲を指定することができます。

⑦GPIOタグ
入力・出力用で、デジタル信号やアナログ信号の入出力を検知して、例えばセンサーの値を受け取ってスプレッドシートに送ったり、モーターなどを制御することができます。

IoTで無限に広がる改善の可能性

今後デジタル化やIoTに取組むことで、改善の可能性は無限に広がります。例えば、IoT7つ道具®︎の視点とMESHを使って、作業開始と作業終了の時刻を記録したり、在庫がなくなったことをすぐに連絡したり、品質検査のための写真を自動で撮ることも可能です。

たとえば、
・ボタンを押して作業開始時間を知らせる(ボタンButtonタグ)
・在庫が減ると、担当に在庫補充の連絡を送る(LEDタグ)
・人が近づくと、スマホから音声が出る(人感Motionタグ)
・完成品が通ったらスマホで写真をとって送る(LEDタグ・GPIOタグ)
など、本セミナーでは、さまざまなアイデアをIoTで実現し、改善の可能性を無限に広げていきます。

IoTで広がる改善の可能性を表現したイメージ動画(2分41秒)

日本企業の強みは現場の力、現場の創意工夫です。今後デジタル化やIoTをうまく取り入れて、この強みを次のステージに引き上げていきましょう。

JMAC独自のIoT7つ道具®︎体感セミナーは2種類。推進基本コース(1日)とマネジメントコース(2日)です。

IoT7つ道具®︎ 体感セミナー <IoT推進基本コース>

「IoTによる改善の感性を磨くこと」を目的としています。このコースではIoTによる改善を楽しみながら体感し、自職場の改善テーマを想定していきます。IoT7つ道具®︎の改善視点と教材MESHを使って、これから導入が想定されるさまざまなIoTツールを使いこなすための感性を磨きます。

 
IoT7つ道具®︎は、日本能率協会コンサルティングの登録商標です。
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