デジタル化の3つの領域
イノベーションカテゴリーマップ

デジタル化の3つの領域

製造業におけるデジタル化とは、何を行うのか、何が出来るようになるのか、について、JMACでは「Ⅰ.課題解決」「Ⅱ.最適化」「Ⅲ.価値創造」の3つ領域に分けて整理している。

 

「Ⅰ.課題解決」領域

「Ⅰ.課題解決」領域とは、現場改善や業務改善へのデジタル技術の活用を指している。現場で改善を行う際、従来は「現場の状態を知るため」「ロスを見つけて改善するため」という目的で、必要に応じてデータを収集していた。しかし、デジタルツールを活用すれば、データ収集が常時化、高速化、広域化、一元化されることになる。これにより、いつでもどこでも誰でも必要なデータの確認や分析ができるようになる。

また、設備や作業に関して過去データや類似データを大量に取得出来るため、現在の状態と比較分析することが容易になる。例えば、過去の故障時など変化を読み取ったデータと比較できるので、異常発生の予知・予防にも役立つ。現場の問題解決への取組方が、今までの「何か問題が発生してからデータの分析を行う改善」から「常にデータが取られていてその変化の兆しを読み取る改善」に変わる。この「Ⅰ.課題解決」領域は、IoTを活用した現場改善や業務改善が主な対象となり、IoTによる現場の見える化と改善シナリオ作成のアプローチで行われる。

 

「Ⅱ.最適化」領域

「Ⅱ.最適化」領域とは、生産工程や業務プロセス等の最適化を指している。工場全体やサプライチェーン全体を最適化範囲と捉えた活動であり、スマートファクトリーの実現などもこの領域である。

例えば、工場にあるすべての設備、作業者、ワーク、図面や、品質基準・設備能力・工程フローなどの基準情報、生産計画や調達計画などの計画情報が、すべてデジタル情報となって一元管理されるようになることで、生産状況だけでなく、設備のトラブルや部品の不良、工程の生産進捗の遅れといった状況を把握し、品質・納期・コストが最適となる修正計画を作成することも可能となる。それをもとに、作業者に適切な指示を行い、設備には変更した計画をもとに加工させることで、工場全体の最適化を図ることができる。このような最適化が自社の工場だけに留まらず、サプライチェーン全体に適用される事例も出始めている。

 

「Ⅲ.価値創造」領域

「Ⅲ.価値創造」領域とは、デジタル技術によって新たなサービスを作り、顧客の獲得や新規市場開拓を促進することを指している。

例えば、販売した製品がインターネットにつながっていれば、自社製品をユーザーがどのように使用しているかを知ることができる。これにより、故障対応の迅速化・適切な保守サービス提供・次回買い替え時の適切なフォローアップ・次期モデル開発への反映などが可能になる。

自社製品のマーケティング機能を強化できれば、顧客サービスをどこまでレベルアップするべきかが明確になり、ビジネスモデル自体を改革することで、事業の付加価値を高めることが可能となる。

参考ページ

ページトップへ戻る